ごあいさつ
創業者である亀井忠一が三省堂書店を興したのは 、1881 年(明治14年)でした。近代化が進み、大きく変わろうとしていた日本で、本のビジネスに可能性を見出し、古本の商売を始めたのがそのルーツとなります。やがて商いは新刊本へとひろがり、三省堂書店は出版文化の歩みとともに成長を続けてまいりました。
そして時代はめぐり、情報技術の進化は一段と速度を増し、創業当時の文明開花の時代のように人々の生活様式は大きく変わろうとしています。かつて本が主役を担ってきた「知の流通」をめぐる環境には多様な選択肢が生まれ、より多くの本をお客様に届けることを使命としてきた私たち自身も、視野をひろげ、新たな価値創出に挑戦することが求められています。
情報は瞬時に、コンパクトに、手もとに届けられる時代になりました。しかし、断片的に要約された情報は手軽である一方、知識として深く積み重ねていくには必ずしも十分な重みを持つとは言えません。思考を深め、知の層を積み重ねていく知的体験の大切さを、私たちは改めて感じています。その点において、本は今なお、人生や学びに寄り添う最も確かな伴走者であり続けると信じています。
本はあらゆる世界へ通じる「入り口」を提供してくれます。そして、そのジャンルの多様性はさまざまな価値観や分野と共鳴する柔軟性も兼ね備えています。本の可能性をもっと引き出せれば、これまでにない面白さや価値が生み出せるのではないか――。
そんな思いを胸に日々挑戦を重ねています。
三省堂書店はこれからも「知と文化の入口」として、多様な提案を通じ、お客様の暮らしに寄り添い続けてまいります。
代表取締役社長 亀井崇雄
