三省堂書店 BOOKS SANSEIDO

第60回三省堂サイエンスカフェ

掲載日:2015年2月28日

テーマ

関孝和とデカルト

開催日 2015年2月28日(土)
開催時間 午後3時から4時10分まで
開催場所 三省堂書店神保町本店2階 UCC カフェコンフォート
参加料 500円(ドリンク代を含む)
講師

四日市大学関孝和数学研究所 所長
国際基督教大学 客員教授
京都大学名誉教授 上野 健爾 氏

コーディネーター

東京大学海洋アライアンス上席主幹研究員
サイエンスライター  保坂 直紀 氏

テーマの内容

関孝和(1645頃ー1708)は中国の伝統数学を真に乗り越え、江戸時代の数学を一気に高みへと導いた大天才である。かれは多元代数方程式の記法を確立し,さらに高次連立方程式の変数を消去して1変数の方程式に帰着させる消去法を,西洋数学より1世紀も早く完成さた。
関孝和より半世紀前に活躍したデカルト(1596ー1650)は哲学者として有名であるが数学者としては座標幾何学の創始者として有名である。かれの座標幾何学は幾何学の問題を代数の問題に還元するために考案された。その際にデカルトも方程式の記法を考案し,その記号法はほとんどそのまま今日使われている。
この二人の数学者は方程式の一般論を考察した。全く異なる時代背景の中で,二人の方程式論はきわめて似た部分がある。それは数学の普遍性を象徴するが,一方では文化,文明における数学のあり方に関して多くの示唆を与える。
ここでは江戸時代に数学が果たした役割と近代ヨーロッパ文明で数学が果たした役割を,関孝和とデカルトを比較しながら考えてみたい。

【著書】
『デカルトの精神と代数幾何学』(共著者 飯高茂、浪川幸彦)日本評論社,
1979年
『数学を育てる土壌』(共著者 志賀浩二)、日本評論社 1992年
『代数幾何入門』  岩波書店、1995年
『代数入門1、2 岩波講座「現代数学への入門」』1996年〜1997年
『代数幾何1、2、3 岩波講座「現代数学の基礎」』1997年〜1998年
『高校生に贈る数学1、2』(共著者 志賀浩二、森田茂之)1995年
『モジュライ3 岩波講座「現代数学の展開」』(共著者 清水勇二)1999年
『円周率 π をめぐって』日本評論社、1999年
『複素数の世界』日本評論社、1999年
『ガンマ関数入門』日本評論社、2002年
『代数入門』岩波書店、2004年
『代数幾何』岩波書店、2005年
『岩波数学入門辞典』(共著)、2005年
『数学フィールドワーク』日本評論社、2008年
『測る』東京図書、2009年
『数学の視点』東京図書、2010年
『数学者的思考トレーニング 代数編』岩波書店、2010年
『数学者的思考トレーニング 解析編』岩波書店、2012年
『円周率が歩んだ道』岩波書店、2013年

『学力があぶない』岩波新書(共著者 大野晋)2001年
『誰が数学嫌いにしたのか』日本評論社、2001年
『数学の教育を作ろう』(上野健爾・岡本和夫・黒木哲徳・野崎昭弘編)、
日本評論社、2002年
『こんな入試になぜできない』(上野健爾・岡部恒治編)、日本評論社、2004年
『関孝和論序説』(上野健爾・小川束・小林龍彦・佐藤賢一著)、岩波書店、
2008年  など多数

参加者の声

・楽しかったです。和算の数学問題が独特でした。
・数学好きな人が集まれる場所は貴重です。ありがとうございました。

お申し込み受付は締め切りました

三省堂書店神保町本店へのアクセス

JRお茶の水駅-徒歩8分
地下鉄神保町駅(東京メトロ半蔵門線、都営三田線・新宿線)-徒歩5分

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