三省堂書店 BOOKS SANSEIDO

第62回三省堂サイエンスカフェ

掲載日:2015年9月12日

テーマ

有胎盤哺乳類の大放散 -- 化石記録と分子は一致するか--?

開催日 2015年9月12日(土)
開催時間 午後3時から4時10分まで
開催場所 三省堂書店神保町本店2階 UCC カフェコンフォート
参加料 500円(ドリンク代を含む)
講師

国立科学博物館 地学研究部 生命進化史研究グループ
名誉研究員 冨田 幸光 氏

コーディネーター

東京大学海洋アライアンス上席主幹研究員
サイエンスライター  保坂 直紀 氏

テーマの内容

胎盤を持つ哺乳類である有胎盤類は、新生代の哺乳類としては圧倒的に多様化している。この有胎盤類の大放散がいつ起こったかという問いに対する答えは、化石記録に基づく古生物学と、DNAなどに基づく分子系統学では、従来から大いに異なっていた。前者では、恐竜絶滅直後に起こった第一次適応放散と、暁新世/始新世境界ごろに起こった第二次適応放散の二段階で起こったとされてきた。一方、後者では、白亜紀中頃〜後期に大部分の現生目が放散したという。恐竜の絶滅が、前者では哺乳類の大放散に大いに関与していると思われる一方、後者ではほとんど関与していないことになる。2013年に公表された論文は、最近進んで来た化石屋と分子屋との共同研究の成果だが、その内容は、枝分かれの順序は分子系統学が示したものに近いが、その年代は恐竜絶滅直後のごく短期間におこったという。しかし、より詳しく見ると、すべての系統が恐竜絶滅直後でなく、現生する目に分類される多くの系統は、やはりそれなりの時間が経ってから出現しているのである。古生物と分子の成果が、ようやく一致し始めたと言えるだろう。

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三省堂書店神保町本店へのアクセス

JRお茶の水駅-徒歩8分
地下鉄神保町駅(東京メトロ半蔵門線、都営三田線・新宿線)-徒歩5分

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