今月も三省堂書店札幌店と北海道大学出版会様とのコラボレーションコーナーが第15回目の更新を迎えました。
第15弾は、北海道大学 教育学研究員教授 教育学博士の「松田康子」先生をお迎え致しまして、
『ケアという営みについて考える 』というテーマでお送り致します。
今回もその中から3点ほど、松田先生にご選書頂いた商品をご紹介致します。
●『青年期を生きる精神障害者へのケアリング』
葛西康子 著 北海道大学出版会 発行
精神科デイケアをフィールドにする著者が、青年期に精神疾患を発病した4名に長期にわたるインタビューを実施。当事者の主観的体験が綴られた手記から、病気に対処し自己を育て生き抜いていこうとする軌跡を明らかにし、その過程に寄り添い助力するケアリング論を提示する。
●『痴呆を生きるということ』
小沢勲 著 岩波書店 発行
つて自閉症論争の只中にいた著者が、晩年、認知症のケアに臨み記した著作群の中の1冊。「問題行動」という範疇化された発想ではなく、当事者の生きる世界と物語に目を見開かされる本です。私は、この新書を手始めに、「ケアってなんだろう(医学書院)」「物語としての痴呆ケア(三輪書店)」を立て続けに読みました。限りある命と知りつつ著作を遺しているとわかり、もう、いてもたってもいられなくなったのを覚えています。
●『100万回生きたねこ』
佐野洋子 著 講談社 発行
研究でも自身の人生においても、「生き抜く」ことばかり考えていたとき、「生き切る」ことの大切さを教えてくれた絵本。さまざまな読み方に開かれていると思います。2010年に佐野洋子さんは亡くなっています。生前、ガンを告知されてからの彼女の生き方や遺したエッセイにも、終活について考えるとき思考をより活性化させてもらえます。なかでも母親との関係を綴った「シズコさん(新潮文庫)」はオススメです。
他にも多数、松田先生にはご選書頂きました。是非、当店の売場にてご覧下さい。