三省堂書店 BOOKS SANSEIDO

月イチ企画「北大の先生が選んだ本」第10弾更新しました!

掲載日:2018年4月20日

今月も三省堂書店札幌店と北海道大学出版会様とのコラボレーションコーナーが第10回目の更新を迎えました。

第10弾は、北海道大学大学院文学研究科教授の「千葉 惠」先生をお迎え致しまして、

西欧哲学と神学を辿る本 』というテーマでお送り致します。

今回もその中から3点ほど、千葉先生にご選書頂いた商品をご紹介致します。

 

●『信の哲学 (上・下)』


 
千葉惠 著  北海道大学出版会発行

 
使徒パウロの「ローマ書」を主な考察対象とし、アリストテレス哲学を共約性規準として立て、その言語哲学により意味論的分析を行います。その分析に基づき「ロゴスとエルゴン(理論と実践)」の相補的展開、書簡の無矛盾性、心魂における信の根源性をパウロは解明しました。ローマ書根幹部(3:22)のラテン語訳から始まった誤訳の指摘により、信仰義認論や予定論等多くの神学、哲学論争に終止符を打ち、和解への基礎を築きます。

 

●『形而上学(上・下)』


 

アリストテレス 著・出 隆 訳  岩波書店発行

 
在るもの一切について「美しくアポリア(行き詰まり)を提示すること」、すなわち答えのある問いを明晰に立てることにより一歩一歩確実に思考を前進させる緻密さと壮大さにおいて稀有なる書物です。「在る」「成る」そして「一であること」「本質」「因果性」等をめぐり明晰な分析が遂行され、世界が明らかになっていきます。

 

●『純粋理性批判』


 
イマ-ヌエル・カント著・熊野純彦 訳 作品社発行
 
カントはヨーロッパにおける、神、魂の不死そして意志の自由をめぐる形而上学の問いについて、それまでの神学と哲学の営みに困惑し、いわゆるコペルニクス的転回と言う思考様式の逆転を介して、理性それ自身の力能を吟味することを介して新たな形而上学の可能性を追求します。彼は認識の範囲を縮減しつつも、道徳的存在者である人間の根拠として神の存在証明を企てます。
 
他にも多数、千葉先生にはご選書頂きました。是非、当店の売場にてご覧下さい。
 

 

 
来月も更新予定です!!今後の企画にご期待下さい