今月も三省堂書店札幌店と北海道大学出版会様とのコラボレーションコーナーが第8回目の更新を迎えました。
第8弾は、北海道千歳リハビリテーション大学教授の
「宇都宮 輝夫」先生をお迎え致しまして、
『人は何によって生きるのか – 共感、信頼、連帯』というテーマでお送り致します。
今回もその中から3点ほど、宇都宮先生にご選書頂いた商品をご紹介致します。
●『進化と人間行動』
長谷川寿一・長谷川眞理子 著 東京大学出版会発行
ヒトの顕著な特徴は、他の動物には見られないほど利他性が高いということだ。利他行動とは、自らの適応度を下げても他者の適応度を上げる行動であり、それが進化するというのは逆説である。利他行動は、定義上、その行動を取る個体の遺伝子の拡散を妨げるからだ。本書は、進化学の知見を素人にもわかりやすく、しかしレベルを落とさずに解説してくれる。本書は、進化の長い歴史を経て人間の社会行動が発達してきた様を描く。
●『孤独なボウリング』
ロバ-ト・D.パットナム 著 柏書房発行
犯罪や非行、疾病、自殺といった人間生活の負の側面は、いかなる変数によって規定されているのか。通常は、経済的貧困、教育レベル、科学技術の水準などが思い浮かぶかも知れない。しかし、それら以上に重要なファクターは、人と人との信頼と共感に満ちた普段のつながりである。このことを著者は、グループでボウリングやトランプを楽しむ頻度、相互訪問の頻度、日常的会話を交わす度合いなどの厖大なデータを駆使して実証する。
●『パルムの僧院』
スタンダ-ル 著 新潮社発行
他の何ものによっても支えられる必要のない愛。絶対的に自立した力としての愛には、理由もなく根拠もない。根拠によって支えてもらわねばならないような愛は、もはや愛ではあり得ない。自己愛に貫かれた人間が、愛のゆえに自己の破滅をいとわず、そして実際満たされた思いのうちに破滅する。『赤と黒』と並んで、愛の自存性・自立性・自己目的性を比類のない美しい文章で描いた人類文学史上の不朽の名作。
他にも多数、宇都宮先生にはご選書頂きました。是非、当店の売場にてご覧下さい。
来月も更新予定です!!今後の企画にご期待下さい