三省堂書店札幌店と北海道大学出版会さまとのコラボレーションコーナーが33回目の更新を迎えました。
第33弾は、北海道大学大学院文学研究院講師の熊征先生をお迎え致しまして、
『漢詩の世界』というテーマでお送り致します。
今回もその中から3点ほど、熊征先生にご選書頂いた商品をコメントとともにご紹介致します。
●『隠逸詩人陶淵明(楡文叢書7)』
熊征 著 北海道大学出版会 発行 税込価格:7,700円
仕官の道から田園に帰り、隠逸生活をうたった陶淵明。「古今隠逸詩人の宗なり」と評されたその人物、思想、詩と後世の評価について、楊朱の影響、湛方生および江淹との相違、顔延之、鍾嶸、蕭統・蕭綱兄弟による評価など多様な観点から分析する。
●『陶淵明:〈距離〉の発見(書物誕生:あたらしい古典入門)』
釜谷武志 著 岩波書店 発行 税込価格:2,420円
陶淵明の真価が発見された宋代には、「菊を採り東籬の下、悠然として南山を見る」という名句をめぐって「見」と「望」の議論があった。本書では、田園詩人、隠逸詩人と称される陶淵明の中国と日本における読み方、とりわけ陶淵明評価の変遷を辿ったうえで、「見」と「望」の使いわけによって陶詩における特徴的な風景との距離感を解明する。それはまた、陶淵明の自然風景との距離、己自身との距離という陶淵明を読解する鍵なのである。
●『二十四節気で読みとく漢詩』
古川末喜 著 文学通信 発行 税込価格:3,080円
二十四節気という暦の枠組みは、中国をはじめ古代東アジアの人々の暮らしにおいては不可欠な要素であった。本書は二十四節気を詠じる漢詩について、暦の歴史や知識を整理しながら、詩が詠まれた地域や気候を解明するとともに、時代の背景や詩人の心境を紹介し、時空を超えた詩的旅に読者を誘う。
他にも熊征先生には多数ご選書頂きました!リストは下記よりダウンロードできます。