三省堂書店 BOOKS SANSEIDO

「北大の先生が選んだ本」第28弾更新しました!

掲載日:2023年5月21日

前回から期間が空いてしまいましたが、三省堂書店札幌店と北海道大学出版会さまとのコラボレーションコーナーが第28回目の更新を迎えました。

第28弾は、北海道大学大学院理学研究院教授の増田隆一先生をお迎え致しまして、

『ヒグマ学と自然・文化の多様な世界』というテーマでお送り致します。

 

今回もその中から3点ほど、増田先生にご選書頂いた商品をコメントとともにご紹介致します。

 

●『ヒグマ学への招待 ― 自然と文化で考える』

増田隆一 編著 北海道大学出版会 発行 本体価格:3,600円

 

「ヒグマ学」とは、ヒグマを自然ととらえながら、その生態・生物地理、古来からの文化や儀礼の歴史、人間社会との共存を考える、学際的で独自の学問分野である。北海道から世界に発信する環境人文学ということもできる。ヒグマの生物学やヒグマに関する文化や歴史を研究対象にしてきた理系・文系の研究者が分担執筆している。本書は、北海道大学全学授業の中で人気の高い「ヒグマ学入門」の教科書にもなっている。

 

●『種の起源 上・下』

チャ-ルズ・ダ-ウィン 著 八杉龍一 訳 岩波書店 発行 本体価格:〈上〉1,130円〈下〉1,060円

 

「種の起源」は、進化学の発展の原点である。動物地理学においても、進化の概念が根底に流れる。本書の中で、ダーウィンは、集団中の突然変異が長い世代をかけて自然選択され進化が生み出されたと考える。その説明のひとつとして、家畜や家禽の品種の多様性が、人による人為選択によってもたらされたことをあげている。この古典をあらためて読むことにより、そこにある斬新な考え方を学ぶことができる。

 

●『アーロン収容所 ― 西欧ヒューマニズムの限界』

会田雄次 著 中央公論新社 発行 本体価格:780円

 

高校時代、倫理社会の先生が自身の終戦体験を語りながら、本書を紹介してくださった。大学生になり思い出して読み、40年以上経た今でも読み返す時がある。西洋史研究者の著者が若き頃、第2次大戦のビルマ(現ミャンマー)戦線に送られ、イギリス軍の捕虜として収容所で送った異常な体験を歴史学者の視点から明快に描く。一方、ミャンマーにおいて、なぜ日本とイギリスが戦うことになったのか? これを考えることも重要だ。

 

他にも増田先生には多数ご選書頂きました!リストは下記よりダウンロードできます。

 

増田隆一先生選書リスト