◆文庫◆『旅をする木』
著者:星野道夫 文藝春秋 税込704円 ISBN:978-4-16-751502-7
単行本の刊行が1995年8月。そして著者は翌96年8月に急逝しています。30年前に戻ることはできませんが、本書で著者が17年間住み続けたアラスカの息遣いをいまでも感じることができます。また2024年6月末まで帯広で星野道夫の写真展が開催されていました。7月9日~9月8日までは新潟県・長岡市にて巡回写真展が開催されるそうです。いまも何処かで星野道夫の想いを繋いでいる人や時間が確実に存在しています。読書家でもある著者の名文をぜひ味わってください。
◆新書◆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』
監修:三宅香帆 集英社 税込1,100円 ISBN:978-4-08-721312-6
読書とは自分から遠く離れた文脈に触れることであり、人を惹きつけるものです。しかし効率が優先される現代においては、この自分から離れた文脈は「ノイズ」と認識されてしまうようです。全身全霊で働くほど、このノイズを頭に入れる余裕がなく本が読めなくなる、と説いています。著者は本書で半身(週3勤務や兼業)で働ける社会、働きながら本を読める社会をつくることを提言しています。
◆ビジネス書◆『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』
著者:今井むつみ 日経BP 税込1,870円 ISBN:978-4-296-00095-1
新書大賞2024『言語の本質』の著者の最新刊です。コミュニケーションの際に直面することに対して「言い方」「話すことがら」だけでなく、心理学・認知科学の視点から本質的解決方法を探る内容です。間違っているのは「当たり前の違い」を乗り越えることが出来ていない、心の読み方だと解説します。