◆文芸◆「成瀬は天下を取りにいく」
著者：宮島未奈 新潮社 1,705円 ISBN:9784103549512
小学校の卒業文集に書いた将来の夢は「二百歳まで生きる」。大津市唯一のデパート西武大津店が一か月後に営業終了する時に「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。この小説の主人公成瀬あかりのスケールの大きさは桁外れです。加えて「しかし、至らないことが多くて・・・」と反省するところもあり、大いに惹きつけられます。群を抜いた面白さであり、続編が待ち遠しい作品です。
◆ビジネス◆「とにかく仕組化」
著者：安藤広大 ダイヤモンド社 1,760円 ISBN:9784478117743
ベストセラー『リーダーの仮面』『数値化の鬼』に続く待望の第三弾が刊行されました。人の上に立つリーダーが直面し、勇気をもって解決するべき問題、組織と個人の仕組み・あり方を古くて新しい視点から説得力を持って解説しています。組織と個人の成果を最大化するためのヒントが詰まっていて、これまでの集大成的な内容になっています。
◆新書◆「ウクライナ戦争の嘘」
著者：手嶋龍一 佐藤優 中央公論新社 968円 ISBN:9784121507969
ウクライナの戦争は、超大国アメリカによって管理された戦争だ。とは米ロに精通した著者二人の見立てです。ゼレンスキーの「無条件勝利」をNATO諸国がこのまま支持していたら、この戦争は10年続くこともありうる。だから戦争終結のための処方箋が必要なのだと説いています。本書の中で、高坂正堯『国際政治』が紹介されています。こちらもぜひ。