三省堂書店 BOOKS SANSEIDO

第26回三省堂サイエンスカフェin札幌 〔日本農芸化学会シリーズ(9)〕 

掲載日:2017年10月17日

日本農芸化学会

生命・食糧・環境のためのバイオサイエンスおよびバイオテクノロジーの研究を行う日本農芸化学会では、学会の最新の成果を社会に向け発信する広報活動の強化を重要な責務のひとつとして考えています。
その一環として、サイエンスカフェを現代の有効な科学コミュニケーションの場と考え、学会の研究者によって研究の成果を社会に発信することになりました。

三省堂サイエンスカフェにおきましても、同会の趣旨・企画に賛同し、日本農芸化学会シリーズを共同開催することとしました。

テーマ

「甘くない糖鎖の研究〜グルコサミン、コンドロイチン、
大腸菌O157感染、 血液型などと”糖”との関わり」

開催日 2017年11月25日(土)
開催時間 午後3時から4時30分まで
開催場所 三省堂書店札幌店 BOOKS&CAFE(UCC)
参加料 500円(ドリンク代含む)
講師

国立研究開発法人 産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門 
分子生物工学研究グループ 主任研究員
清水 弘樹(しみず ひろき)氏

コーディネーター

北海道大学大学院 先端生命科学研究院 助教 村井 勇太 氏
北海道大学大学院農学研究院 准教授 橋本 誠 氏

共催 公益社団法人 日本農芸化学会
定員 30名

テーマの内容

身近にある糖の代表格である砂糖は舐めると甘いため、「糖」と言うと甘い物質と思われているでしょう。実際、ショ糖や麦芽糖、ブドウ糖などは甘味料として使われていますが、これらがつながった「糖鎖」は決して甘くありません。例えば、ブドウ糖がつながった澱粉自体には甘味をほとんど感じませんし、「紙」は澱粉と同様にブドウ糖がつながってできていますが決して甘くありません。カニやエビの殻も糖鎖でできています。

「糖鎖」は甘味を与える物質ではなく、生体内のいろいろな機能を司る生体物質です。血液型を決めているのは糖鎖です。大腸菌O157感染は糖鎖が引き金となりますし、インフルエンザ薬タミフルは糖鎖機能に着目して開発されました。最近TVで耳にするグルコサミンやコンドロイチンなども糖や糖鎖の仲間です。

一方、研究対象としての糖鎖は複雑な化合物で、糖鎖研究は難しいもの(甘くない)と言われています。本会では、甘くない糖鎖研究の一端をご紹介しつつ、言語構造や文化背景、はたまた最近の研究制度変化などにより、日本で化学研究を進める難しさをぼやきたいと思います。

講師略歴

国立研究開発法人 産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門 
分子生物工学研究グループ 主任研究員
清水 弘樹(しみず ひろき)氏

1991年  東京大学農学部農芸化学科卒業
1993年  東京大学大学院農学系農芸化学科修士課程修了
1996年  同博士課程修了
1996年~1997年 理化学研究所国際フロンティア研究員
1997年~1999年 the University of St. Andrews (Scotland, UK) 博士研究員
1999年~2002年  University of Leeds (England, UK) 博士研究員
2002年~2004年  東北大学大学院生命科学研究科、助手
2004年~  産業技術総合研究所北海道センター 現在に至る
著書 (2009年) 清水弘樹、西村紳一郎 “複合糖質の化学と最新応用技術、第1編 第6章 グリコシル化の改良”, 53-62pp, シーエムシー出版
    (2011年) 清水弘樹 “マイクロ波を利用した糖鎖合成”, ファインケミカル2011年5月号、Vol40, No.5,シーエムシー出版, 38-43pp
    (2011年) 長島生、清水弘樹“バイオ医薬品開発における糖鎖技術、第3編第8章酵素化学合成法による糖鎖生産技術”,85-95pp, シーエムシー出版
   (2014年) 長島生、清水弘樹“最新 マイクロ波エネルギーと応用技術、第5章 5-3 生体高分子合成 (糖鎖、ペプチド、糖ペプチド)”,543-549pp, ㈱産業技術サービスセンター
   (2015年) 長島生、清水弘樹“糖鎖の新機能開発応用ハンドブック、第4編 第1章 4-4 マイクロ波合成”, (株)エヌ・ティー・エス
   (2016年) 清水弘樹“マイクロ波加熱の基礎と産業応用、第6章第2節マイクロ波照射による糖鎖・糖ペプチド合成”, (株)R&D支援センター

授賞歴

1998年 Yong Scientist Award (XVth International Symposium on ycoconjugate)
2003年 日本農芸化学会東北支部奨励賞

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