三省堂書店 BOOKS SANSEIDO

最新BEST5発表!(2016・12/5-12/11)

掲載日:2016年12月12日

 

★文芸

 

1位 『ハリー・ポッターと呪いの子 第一部・第二部 リハーサル版』 J.K.ローリング/ジョン・ティファニー/ジャック・ソーン/松岡佑子 静山社

2位 『 i(アイ) 』 西加奈子 ポプラ社

3位 『いまさら翼といわれても』 米澤穂信 KADOKAWA

4位 『コンビニ人間』 村田沙耶香 文藝春秋

5位 『天子蒙塵 第2巻』 浅田次郎 講談社

 

 

★文庫

 

1位 『首折り男のための協奏曲』 伊坂幸太郎 新潮文庫

2位 『雪煙チェイス』 東野圭吾 実業之日本社文庫

3位 『本日は、お日柄もよく』 原田マハ 徳間文庫

4位 『総理の夫』 原田マハ 実業之日本社文庫

5位 『すえずえ』 畠中恵 新潮文庫

 

 

★新書

 

1位 『雑談力』 百田尚樹 PHP新書

2位 『ヤバい心理学』 神岡真司 日文PLUS

3位 『銀行激変を読み解く』 廉了 日経文庫

4位 『ビジネスエリートの新論語』 司馬遼太郎 文春新書

5位 『これ、いったいどうやったら売れるんですか?』 永井孝尚 SB新書

 

 

★コミック

 

1位 『進撃の巨人 21』 諌山創 少年マガジンコミックス

2位 『ワンパンマン 12』 村田雄介/ONE ジャンプコミックス

3位 『中間管理録トネガワ 4』 三好智樹/橋本智広 ヤングマガジンKC

4位 『カードキャプターさくら クリアカード編』 CLAMP KCデラックス

5位 『図書館戦争 別冊編3』 弓きいろ/有川浩 花とゆめコミックス

 

 

★ビジネス

 

1位 『若者よ、アジアのウミガメとなれ』 加藤順彦 ゴマブックス

2位 『生産性』 伊賀泰代 ダイヤモンド社

3位 『自分の時間を取り戻そう』 ちきりん ダイヤモンド社

4位 『道をひらく』 松下幸之助 PHP研究所

5位 『即断即決』 田口智隆 きずな出版

 

 

★ノンフィクション

 

1位 『Keiko的月の浄化術』 Keiko 大和出版

2位 『ミシュランガイド東京2017』 日本ミシュランタイヤ

3位 『いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる最高の子育てベスト55』 トレーシー・カチロー/鹿田昌美 ダイヤモンド社

4位 『やせるおかず作りおき』 柳沢英子 小学館

5位 『ハードワーク』 エディー・ジョーンズ 講談社

 

 

 

 

今週は、入荷したばかりの新刊小説や年末恒例のミステリーランキングの発表があり、

文芸書売場&担当がわいわいしてました。

 

 

宮下奈都さんの新刊『静かな雨』(文藝春秋)が入荷しました。

見て、この素敵な装丁。

czojd4-vqaaulyt

 

すけすけのカバーをはずすと、ルノワールが描いた鮮やかなブーケ。

読む前から惚れちゃう。

本を開いてみると余白が大きい。

余白が大きいとゆったり文章を読める(私だけ?)

宮下さんの優しい文章がゆっくり頭に入ってきて、心地よい読書タイムだった。

安価な文庫になるのを待つのも良いけど、単行本を所有する喜びも良いです。

 

物語は、記憶障害のあるこよみと松葉杖を使う行助の日常生活。

といっても、こよみは、1日以上記憶を留めておくことができないので、日常の出来事を忘れていってしまう。

できないことが多い二人。

自分の持っている能力で、どのような幸せな人生を歩むか。

こよみが付箋をたくさん使っているシーンが印象的だった。

日常を精一杯生きていこう、優しい物語。

 

 

 

そして、今週は私が大好きな薬丸岳さんの新刊が発売!

『神の子(上・下)』(光文社文庫)が文庫化されました。

czolyxjviaeuv_v

仲間を見つけて町田が変化していく過程を見ているようでいて、

でも、ずっと一番の仲間思いは町田だったのではとも思える。

後半は、内藤と楓が集めた情報が集約されていき、

黒幕の企みが明らかになっていく謎解きが面白かった。

 

 

 

今週は、年末恒例のランキング発表がたて続けにありました。

 

このミス大賞(国内)に選ばれた竹本健治さんの『涙香迷宮』(講談社)!

img_0141

暗号が圧巻。

いろは歌の作成って、とても制約が多いと思うの。

それを冒頭の文字が全部違う48首を作って、さらに部屋割りや二十八宿と絡めてさ、

もう、黒岩涙香すごいー!

暗号を解読していく牧場すごいー!

この小説書いた竹本健治さんすごいー!っと、なりますよ。

「すごい、すごい」と言っていたら、「だって、『すごい!大賞』なんでしょ?」とさらっと友達に言われた・・・。

 

 

 

そして、本の雑誌が選ぶ2016文庫ベストテン1位!

遠田潤子さんの『雪の鉄樹』(光文社文庫)

img_0143

文庫化されてから読みましたが、

なぜ、単行本で発売された時にこの小説に気付かなかったのだ私は!?

 

なぜ雅雪の全身にやけどがあるのか、

扇に家で何が起きたのか、

7月7日に何が起きるのか、

前半は謎が多くて引き込まれます。

 

雅雪が悲しくなるほど愚直すぎる。

背負わなくてもいいものを背負って、償いのためだけの人生を選んでいる。

それは、本当の誠意?身勝手な押し付けになっていないだろうか。

自分が信じた人生を歩むことに正解も不正解もないのだけど、痛々しい。

読後は、もう幸せを祈るしかない。幸せになれ!!