三省堂書店札幌店と北海道大学出版会さまとのコラボレーションコーナーが32回目の更新を迎えました。
第32弾は、北海道大学大学院文学研究院教授の押野武志先生をお迎え致しまして、
『メメント・モリー死を想え』というテーマでお送り致します。
今回もその中から3点ほど、押野先生にご選書頂いた商品をコメントとともにご紹介致します。
●『日本サブカルチャーと危機:死と恐怖の表象史』
押野武志・横濱雄二・諸岡卓真・高橋啓太・井上貴翔 編 北海道大学出版会 発行 本体価格:3,600円
ミステリ、ゲーム、映画、アニメ、マンガなどにおいて、第二次世界大戦や東日本大震災などの実際に起きた「危機」、あるいは物語上のクローズドサークルや世界の終わりなどの架空の「危機」はどう扱われ、描かれてきたのか。危機表象についてのジャンル横断評論集。
●『屍者の帝国』
伊藤計劃×円城塔 著 河出書房新社 発行 本体価格:780円
伊藤の第三長編として計画されていたが、冒頭の草稿を遺して伊藤がガンで早逝したため、生前親交の深かった円城が書き継いで完成させたもの。ヴィクター・フランケンシュタインによる屍体蘇生術が普及し、屍者が労働力・軍事力として利用されている19世紀末の世界を舞台とする歴史改変SF。実在の人物に加えて多くの有名なフィクションのキャラクターたちが、屍者と生者を隔てる「魂」とは何かを問う。
●『謎ときサリンジャー:「自殺」したのは誰なのか』
竹内康浩・朴舜起 著 新潮社 発行 本体価格:1,700円
サリンジャーの小説「バナナフィッシュにうってつけの日」のラストは、主人公の拳銃自殺とされてきた。だがそれは本当に「自殺」だったのか。他殺の可能性はないのか。死の現場には主人公の弟もいた。果たして死んだのはどっちなのか。謎は解かれるとは限らない。曖昧な結末にこそ、サリンジャーの死生観が宿っているという。竹内康浩著『謎ときエドガー・アラン・ポー:知られざる未解決殺人事件』(新潮選書/ISBN:978-4-10-603923-2)もおススメ。
他にも押野先生には多数ご選書頂きました!リストは下記よりダウンロードできます。