文芸書便り vol.7 お待たせしました、入荷です。
2009年のノーベル文学賞がドイツのヘルタ・ミュラー氏に決定してからはや一ヶ月・・・。ミュラーさんの唯一の邦訳となる『狙われたキツネ』(三修社)がいよいよ11月14日に発売いたしました!
●三修社『狙われたキツネ』1,955円(税込) 
物語の舞台はチャウシェスク独裁政権下のルーマニア。家宅侵入、尾行、盗聴。恋愛感情さえスパイ活動に利用され、誰かを好きになることが親友を傷つけてしまう。若い女性教師・アディーナは秘密警察に追いつめられて田舎に身を隠す。そして再び街に帰った彼女が見たものとは・・・・・。
アディーナが見た独裁制の恐怖を、とても鮮明に描き出しています。
ヘルタ・ミュラーさんは、ドイツ系少数民族としてルーマニア西部生まれ育ちました。ルーマニアのティミショアラ大学で文学を専攻するとともに、チャウシェスク独裁体制下で表現の自由を求める運動に加わっています。そして卒業後は、通訳として工場で働くのですが、秘密警察への協力を拒み職を失ったという経験を持ちます。このころから小説も書き始めたのですが、検閲の壁に阻まれ1982年まで作品を発表できず、87年に西ドイツに政治亡命。今回発売された『狙われたキツネ』は、ミュラーさんのこうした体験をまさに投影した作品です。
ミュラーさんの邦訳は、今のところ「狙われたキツネ」一冊のみ。ぜひお見逃しなく!![]()
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